鏡 村上春樹

今回は「本」ではなくて、このお話(短編)についてのみです。

最後のオチ(「この家に鏡がないだろ?」)にぞっとしました。
巧みな語り口調によって臨場感を得ていましたし。
「え!!」ってね。

はてさて、この「鏡」に映ったものはなんだったのか。
それは僕なんだけど「あるべきでない姿」の僕。

学園紛争が盛んな時代。
就職先のありあまる高度成長期。
大人は会社に一生の忠誠を誓いがむしゃらに働く。

そんな中、僕は体制打破に賛同し大学にも行かず定職も持たない。
それってとても厳しい状態。
だってそんな時代にそんなこと、やる人いる?
周りはどんな目で見ると思う?

でも、僕自身は自分を誤魔化さず自分の仕事をこなす。
怠けることだってできる仕事だって、「そういうのって一度自分を誤魔化すとそのあともだらだらなるからね」って。
まじめです。
自分に厳しいです。

そんな僕の「あるべきでない姿」って・・・?

一生懸命自分に対して頑張っていても、その頑張らなければならない感が大きければ大きいほど、それは自分が「あるべきでない」と考える姿と紙一重ということ。

なりたくない自分にならないようつっぱていて、でも、もしそのときつっぱりがとけた状態の自分を見てしまったら・・・?

ああ、みんな同じなんだなと思いました。
私もそういうときあるけど、それって村上春樹が文章に書くぐらいオーソドックスというか一般的なんだ、と思いました。

でも今の僕はそのつっぱりを貫き通した後なのでしょうか。
だから鏡を見たくないの?(また「あるべきでない姿」を見たら負けそうになるから)
それとも自分を誤魔化した後なのでしょうか。
だから鏡を見たくないの?(自分を誤魔化したありのままの自分が映るから)

どっちなんでしょう?




(すみません、今手元に本文ないので「」内は本文と違うと思います。)
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by sumomomomomomo55 | 2005-02-01 00:02 | 小説(村上春樹)
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